見えない場所からの火事にご用心!

コラム

過去5年間の出火原因上位5項目

出火原因 件数 平成29年との比較
1  たばこ 134件  34件
2  放火(疑いを含む) 119件  ▲68件 
3 電気配線類  77件  ▲1件 
4 ガスこんろ  66件   3件
5 天ぷら油  48件  ▲27件 

平成30年(1~12月)における全国総出火件数は37,900 件でした。
これは、おおよそ1 日あたり104件、14 分ごとに1 件の火災が発生したことになります。
※消防庁データ引用

電気配線類からの失火

今回は、3番目に多い出火原因であり、ご自身が少し注意する事で回避できる電気配線類での出火原因について書きたいと思います。

 

① 半断線

半断線とは、コード内にある電線の一部が断線した状態をいいます。
半断線状態になると、電流の流れる通り道が少なくなっているのに通常時と同じだけ電流が流れようとします。そのために発熱し溶けショートしたり近くにある可燃物に火がついたりします。

電源コードを曲げたり動かすと動く電気製品はありませんか?
そんな電源コードは危険な状態です!

よくある断線原因

◆ドライヤー等、収納時にコードを巻きつける。
◆使用時にコードを引っ張る
◆扇風機のコンセントを挿したまま移動させる
◆電源コードを張り詰めた状態で使用
◆家具に挟まれたり、釘などで配線を強く固定
◆コードを束ねたままや、じゅうたん等の下に敷いた状態で使用する

② 素人工事

ご自分で、電気コードをつなぎ合わせて使用していませんか?
危険だと思わずに行う「素人工事」が原因の火災もあります。

電気コードを接続する際に切れてしまい半断線の状態になったり、太さの違う電線を繋いだため細いコードに負荷がかかり発熱。絶縁処理が不十分なため、プラスとマイナスの線が接触しショートし火災になったりします。

◆ 抜き差しは必ず本体を持ちコードを引っ張らない
◆ 延長コードの補修や継ぎ足しはやめましょう。

③ トラッキング現象

トラッキング現象とは、コンセントと電源プラグの間に「ほこり」と「湿気」などの水分が付着し、電気の通り道ができる事です。

コンセントを差しっぱなしで掃除をあまりしない箇所はないでしょうか?
特にテレビやパソコンラックの裏、冷蔵庫オーブンレンジ等の大型台所製品の裏はコンセントが目につかないようにしていたり、掃除が出来るスペースがないようになっている事が多く気が付かないうちに突然ショートし、火災になる事があります

◆使っていない電気製品のコンセントは抜き定期的に清掃しましょう

④知らない? 気にしていない? 定格容量

ご家庭には欠かせない延長コード。接続してもよい電気容量の上限があることをご存知ですか?
上限を超えて使うと、延長コードから発火して火災を招く事があります。

勘違いしている「電気容量」

気軽に使っている延長コードに「合計1500W」とか、「15A 125V」と表記されていませんか?
これが、安全な電気容量の上限で「定格」と呼ばれています。

この表示は「差込口1つの最大容量であり電気製品の表示が1500W以下だったら問題ない」と思ってる方がおられます。
表示は延長コード全体の最大容量であるという事を覚えておいて下さい。
延長コードのたこ足配線は厳禁!という事です。

表示単位

ボルト<電圧>
電気を押し出す力。 日本は100V(国によって違います)。

アンペア<電流>
電気の流れる量。

ワット<電力>
使用される電気エネルギーの大きさ。
電力(W)=電圧(V)×電流(A)×力率

表示単位が違う場合の確認方法

A = W ÷ V
アンペア=ワット÷ボルト
W = A × V
ワット=アンペア×ボルト

◆なお表記されている定格は電気容量の上限を意味しますが、実際に使う場合は安全面を考慮して「定格の70%ぐらい」に抑えて使用しましょう。