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スプレー缶による火災、爆発

コラム

消臭スプレーで爆発

札幌市で消臭剤のスプレー缶100本以上のガス抜き作業後、湯沸かし器をつけた際に爆発が起きた事件がありました。

おケガや被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。

さて、今回は燃料用カセットボンベだけではなく、殺虫剤や虫除けスプレー、制汗スプレーなど日常生活に身近なものであるスプレー缶について調べてみました。

スプレー缶に起因した火災事故

古いデータですが、横浜市消防局のホームページによると、
平成22年から平成26年の過去5年間に横浜市内で発生した、スプレー缶(制汗剤や殺虫剤等のエアゾール製品や燃料ボンベ(カセットこんろの燃料ボンベ))に起因した火災は70件発生し、死者が2名、負傷者が46名発生しています。
70件について、その発生原因を見てみると、火気のある場所(台所、お風呂場、暖房器具使用の部屋等)でスプレー缶の穴あけやガス抜き作業を行っていて火災に至ったものが17件(24.3%)、火気を使用しているところでスプレー缶を使用したために火災になったものが15件(21.4%)、カセットこんろのガスボンベ装着不良によるものが9件(12.9%)となっています。
火気のあるところでのスプレー缶の使用等が原因となっています。

スプレー缶の爆発!

また、廃棄時の処理に限らず、テレビでは、エアコンの室外機の温風が当たる箇所に置いた1本のスプレー缶が爆発する映像が映し出されていました。これは、スプレー缶の構造が、基本的に缶の中にLPG(液化石油ガス)などのガスとともに薬剤を詰め込み、ガスの圧力を利用して、薬剤を噴射する構造になっていて、小さなプロパンガスボンベと同じようなものだからだそうです。
火気のない場所での爆発事故も発生するということです。

スプレー缶製品の使用上の注意

独立行政法人国民生活センターのホームページでは、国民生活センター危害情報システムに2000年度以降「スプレー缶」に関する事故事例が211件寄せられ、事故が後を絶たないため、「スプレー缶製品の使用上の安全性」として、次のような消費者へのアドバイスを行っています。
1)使用・保管時の注意
・人体に噴射して使用するスプレーは、商品の表示どおりの使用方法で使用すること
・スプレー噴射直後には火気を近づけない
・自動車内や直射日光の当たる場所、加熱源の近くには放置しない
2)廃棄時の注意
・噴射剤も含め中身を使い切り、各自治体の廃棄方法を守る

 

 

日常生活における下記のような事故は頻繁に起こっていますのでご注意下さい。

風呂場で殺虫剤を使ってヤケド

〔事故概要〕
入浴しようとした際に浴室にゴキブリがいたため殺虫剤を使用。タネ火に着火し手ならびに腕にヤケド。

カセットコンロに引火し火災発生

〔事故概要〕
引越し当日に電磁調理器の使い方が不明であったため、電磁調理器の上でカセットコンロを使用。
電磁調理器が作動したため、カセットコンロが過熱され爆発。台所部分の天井や壁を焦がす火災が発生。

冷却スプレーに引火しヤケド

〔事故概要〕
草野球をされていてデットボールを受けたためにユニホームの上から冷却スプレーを噴射。
その後、タバコを吸うためにライターに着火したところ、ユニホームが炎に包まれて大やけど

暖房器具の近くにスプレー缶を置いていて爆発し火災発生

〔事故概要〕
大規模な宴席で、カセットコンロを大量に鍋の近くに配置。近くにガスファンヒーターが
あったため、缶があたためられ耐熱限度を超過したために、缶が破裂。
近くにいた方に破片が飛び散りケガとなる。

便利で身近なスプレー缶ですが、使用時も、保管時も、廃棄時もそれぞれ、安全に配慮して使用したいものです。

共同住宅での全自動洗濯機からの水漏れ事故

事故の防止策

1960年(昭和35年)に三洋電機が発売し、洗濯機の普及に大きく貢献したのが「二槽式洗濯機」です。洗うための水槽と脱水を行う鉄の籠に分かれている構造でした。その後、洗いとすすぎの工程を自動で行う「全自動二槽式洗濯機」が発売され、当初26%だった洗濯機の普及率は、わずか3年後の1963年(昭和38年)に50%を超え、10年後の1970年(昭和45年)には普及率が91%になったそうです。ところが、現在は、洗濯とすすぎ、そして脱水まで全自動で行える「全自動式洗濯機」が登場し、近年では、洗濯機のほとんどが「全自動式洗濯機」です。
つまり、全自動でない洗濯機を知らない世代も多いと言えます。

事故例1

全自動ですが、全自動であるがゆえに、水道の蛇口は開かれたまま、洗濯機がその水量をコントロールする構造となっています。つまり、洗濯機が水道の水を止めたり、出したりしている訳です。
そして全自動洗濯機の蛇口のハンドルやレバーを開けたまま(吐水- ONの状態)にしているお宅がかなり多いのが現状です。
このような状態では水道と洗濯機をつなぐパイプには常に高い水圧がかかっていることになります。
何かの拍子にパイプが外れた場合には、水道からの流水量が大きいため、大きな損害に繋がります。

 

事故例2

また、たとえば洗濯パン(洗濯機の下に設置されているプラスチック製の板のようなもの)のサイズが小さいために、洗濯機が不安定な設置となり、洗濯の際の振動で、洗濯機が倒れてしまったり、傾いたために水が外部に溢れ続けるという大事故に繋がっています。

事故例3

さらに、排水管(プラスチック製のホース)の品質劣化により水が室内に放水される危険もあります。この場合にも、排水される水の量が多いため、事故が発生した場合は大きな損害に結び付きます。

防止策

このような事故を防ぐためには、洗濯機を使用しない時には少なくとも入口の部分のである蛇口を閉めるようにしましょう。できれば、蛇口を開いたままでの外出は避けたいものです。
また、水漏れ防止用ストッパーが販売されています。これによりホースが外れても自動的に水が止まります。洗濯機の設置の際は専門家による設置に合わせて、折角の機会ですから、防止器具の装着も検討してみましょう。

放火犯に狙われないために(火災)

事故の防止策

放火による火災が増えています。特に乾燥するこの冬場に放火は増えるようです。
放火犯の深層心理は理解しがたいものですが実際に放火された建物、部屋、原因をみると共通点があります。

放火被害物件の共通点

1.ゴミや可燃物(古新聞等)が置かれている。
2.通行人から見えにくい場所である。
3.燃えやすい構造である。

《共通点1》

放火犯は放火し火災が拡大することを目的としています。
よって着火物が燃えやすければ燃えやすいほど放火犯を刺激してしまいます。
そこでよく放火されますのがゴミです。よく、ゴミ当日に備えて忘れないように前日からゴミを玄関ドアの外に置いている方がいます。
放火はだいたい夜間です。特にアルコール臭や生ごみ臭を放つゴミは燃えやすい為、放火犯を刺激するらしく絶好のターゲットとなってしまいます。くれぐれも玄関ドアの内側にゴミは保管ください。
また古新聞の束も狙われます。内側に保管ください。

《共通点2》

犯罪者は捕まりたくありませんから、第三者から見えにくい場所、すぐに逃げることができる場所を選びます。
したがって、放火場所は下記にような場所に集中しています。
・マンションの道路側ではなく内側
・1階
・物置などがあり外部から見えにくい場所
放火を防ぐためには、このような場所には障害物を置かず、また「放火注意」などの張り紙をして犯罪に対する警戒が強いことを強調することが有効です。

《共通点3》

建物の構造そのものを変えることはできませんので上記の共通点1.や2.の対策を強化することが重要です。
また、消化設備などを見えやすいところへ置いておき、放火犯にターゲットとされない工夫もあわせて行うようにしましょう。

放火による被害も、火災保険の支払いの対象になります。

スマートフォン(スマホ)からの充電で失火

事故の防止策

スマートフォンの普及

総務省の『平成29年版 情報通信白書のポイント』によれば、2016年の世帯における情報通信機器の普及状況をみると、「モバイル端末全体」の世帯普及率は、94.7%となっており、「モバイル端末全体」の内数である「スマートフォン」は71.8%であり、一方、「パソコン」の普及率は下がり、スマートフォンの利用機会は高まっています。

その便利なスマートフォン(以下「スマホ」と略します。)の周辺からの発火が頻発しています。
床や壁を焦がしたり、中には甚大な損害に発展したケースもあります。
保険会社として原因を調べましたところ、誰にでも起こり得ることでしたのでご参考にしていただければと思います。

 

事故例

1.道路(コンクリート)にスマホを落として、スマホと充電器の接地面が変形してしまいそこから出火した。
2.コネクタを無理やり差し込み、スマホとの接地面が変形しそこから出火した。
3.浴室付近の電源で充電していたために、水分が入り込みショートし出火した。
4.長時間に渡り充電したために過電流が発生し出火した。

なお、モバイルバッテリー(外付けバッテリー)でも上記と同様な原因で出火しています。特に安価なモバイルバッテリーは出火率が高いようです。

したがって、次のような対策が必要といえます。

事故防止対策

1.強い衝撃を受けた(道路等に落とした)ものは使わない。(外見上は普通でも内部で変形している場合もあります。)
2.コネクタへの接続は慎重に行う。
3.携帯電話への充電場所に注意する。(特に水回り周辺を避ける。)
4.長時間充電はしない。
5.安価なモバイルバッテリーや周辺機器の使用を避ける。

特に4ですが夜間就寝前に充電しそのまま朝まで充電し続けることは多くの方がされているかと思いますが危険な場合があります。また、日中でも充電が終わったら速やかに充電器から外すといったことも重要です。
SNSの炎上も災難ですが、火災による大参事にご注意ください。

 

電子保険証券のご紹介(弊社サービス)

コラム

弊社では、紙の保険証券に代えて、お客様がパソコンやスマートフォンなどで保険の内容をいつでも確認することができる「電子保険証券サービス」をご提供しています。
ご契約申込時に、電子保険証券をご希望(申込書にチェック)いただきますと、保険証券の代わりに「 保険契約の内容照会のご案内(ID,パスワード)」をご郵送いたします。
あとは、印刷されているQR コードをスマートフォンで読み取る、または、パソコンで、ID・パスワードを入力していただくだけで契約内容が確認できます!

冬場のベランダに置いたペットボトルからの火災

事故の防止策

冬場のペットボトル火災にご用心

ペットボトルや瓶を、廃棄する前にベランダに置いておられる方がいらっしゃると思いますが、特にこの冬場、この何でもない風景が、空気が乾燥していること重なって、大惨事を招くことがあることをご存知でしょうか?

会社員のAさんは1人暮らしでした。ある冬の日、留守時にベランダから出火し、室内に火が及び、まずカーテンに燃え移りそして、自室、隣室の全焼となってしまいました。

Aさんは日頃、火の用心をしていることから、留守時の出火につきご自身に責任がないことをご主張されました。また、1階のお部屋ですので、火災事故の当初は、第三者による放火と推測されていました。

消防の調査の結果、原因はペットボトルの「収れん火災」でした。

Aさんのは1人暮らしでご出張が多く、ゴミの分別日と合わないことが
度々あり、やむを得ず、空のペットボトルや古新聞を、ベランダに大量に置いていました。

冬場は太陽の高度が低くなり、ベランダや部屋の奥まで太陽光が差し込みます。
誰でも子供のころ、虫眼鏡で太陽光を集め、黒い紙を燃やす実験をした経験があるかと思いますが、なんとこの虫眼鏡の役割を、ペットボトルがしてしまうことがあるそうです。

ペットボトルの傍に新聞等の着火物があれば簡単に燃焼現象が起きてしまいます。
この現象を「収れん火災」というそうです。

また、自動車の車内火災等でもこの現象はよくあるそうです。

ペットボトルの他、花瓶、金魚鉢、ガラス玉などはベランダはもちろん室内でも陽の差し込むところには置かないように十分に注意しましょう。

キャンプでBBQの結果、火災事故

事故の防止策

キャンプが秘かなブームのようです。

キャンプが秘かなブームのようです。
YOUTUBEではキャンプの様子を撮影した動画やキャンプ道具の紹介をするだけの動画が多く視聴されています。
また、一人で幕営するソロキャンプも流行しているようです。屋外でキャンプ道具を駆使して凝った料理をするような動画もあります。また、バイクでツーリングしてカップラーメンを作って食べることを「ラーツー」というそうです。恐らく「ラーメンツーリング」の略でしょう。(笑)
また、キャンプは春から夏にかけてのアウトドアの楽しみ方と思っていましたが、秋や冬にたき火を囲んで野営するのもブームの様です。
お笑い芸人のヒロシさんも『ヒロシキャンプ』というタイトルで人気です。
屋外での直火のたき火を楽しむ様子が紹介されており、とても楽しそうです。
一般的なBBQコンロに代えて、各種携帯可能な調理器具が発売されています。アルコールを燃料とするアルコールストーブ、枯れ木を燃料とするウッドストーブ、折り畳みバーベキューコンロなど。

火の取扱に注意

しかし、一歩間違えば山火事にもつながりません。注意したいですね。
また、テントの中で火を使う調理や暖房は、火災や一酸化炭素中毒などの危険がありますので十分注意が必要です。

キャンプ道具の後始末

一方、キャンプ道具を持ち帰り、その後、キャンプ道具から失火し、自宅が火事になったという事故も過去にはありました。

ご自身の家財道具の補償、大家さんへの借家人賠償責任が少額短期保険で支払われました。
BBQコンロに残った小さな炭をしっかり始末しなかったことが原因と思われます。BBQ後、すぐに撤収する際は、微小な炭の火種を残さないよう、BBQコンロの水洗いをしっかりすることが防止策と言えそうです。
屋外の火遊びですが、火事にはくれぐれもご注意ください。

ホットカーペット(電気カーペット)、こたつで火災

事故の防止策

冬場の手軽な暖房器具として電気カーペット

冬場の手軽な暖房器具として電気カーペットが大人気です。
ストーブのように乳児が触っても火傷などの心配はありませんし、石油ストーブのように給油の必要もありません。また空気も汚さず、どんな場所にも手軽に設置できる本当にありがたい家電です。
でもそんな電気カーペットも、使い方によっては火災の原因となることをご存じでしょうか。

火を使わないのになぜ?と思われる方が多いと思います。

電気カーペットから出火する理由

電気カーペットから出火する理由は以下の通りです。
電気カーペットは冬以外使いません。
したがって、冬以外は押入れに収納します。
購入時の段ボールは、電気販売店や倉庫でかさばらないようにできるだけ小さく作られ、コンパクトに梱包されて販売されるため、使用しない場合に、元の段ボールに収納する作業は意外に力を必要とします。
さらに、電気カーペット自体が重いこともあり、力の弱い方や面倒くさがりの方は、つい無理をして取扱説明書に定められた折り方ではない変な折りたたみ方をしてしまいます。
そのまま、次の冬までの長い期間の間に、無理な折り方に加え、押し入れなどで他の荷物の下敷きになるなどして、カーペットの中にある熱線が断線や損傷を起こしてしまい、やがて冬が来て、電源を入れた際に損傷した熱線部分から火災が発生するのです。
これが電気カーペット火災のメカニズムです。

現在の商品はだいたい「切り忘れ防止」機能はついているようですが、電気カーペット内の断線や損傷までには対応できていません。電気カーペットを安全に使うために、取扱説明書をよく読んで、保管方法には十分な注意が必要です。

こたつは安全?

一方、こたつのような家電が恐ろしい火災の原因になることがあります。
会社員のAさんは独身。早朝から深夜まで働き詰めで洗濯物を干す暇がないため、こたつの中に洗濯物を入れて乾燥させていました。
いつもは少量の洗濯物でしたが、出張が重なり、大量の洗濯物をギュウギュウに押し込でしまいヒーター部分に直接、衣類が接触し火災となってしまいました。
今どきのこたつは温度調整機能が付いていますので、高温になりますと電源が落ちますがそれでもヒーターに衣類、特に化繊の生地が接触しますと火災が発生してしまいます。
また、こたつの脚で電源コードを踏んで長期にわたり負荷がかかると電源コードから出火することもあります。
こたつ布団の生地が燃焼性の高いものが多いのも火災発生の要因の1つです。
ヒーターを保護する足で防護ネットを破損させてしまった場合きわめて危険です。
こたつは安全にご利用ください。

トイレの『おしゃれグッズ』、『便利グッズ』が大惨事に

事故の防止策

〔事故事例その1〕ビー玉で大事故!

トイレの手洗い器にビー玉を置いてらっしゃる方をよく見かけます。
水に濡れたビー玉はとても美しく涼しげで風情のあるものです。
でも、このビー玉が原因で恐ろしい事故に発展することがあります。
会社員のAさんはトイレの手洗い器に様々な色合いのビー玉を置いていました。
大小のビー玉を組み合わせることで隙間を作り、タンク内に水が流れ込むようにしています。
Aさんは朝、お出かけの際にトイレ使用時に、手洗い器のビー玉が少し水はねしたために、ビー玉を少し動かしました。
少し流れが悪くなったように感じましたが時間がなかったためAさんはそのまま出かけてしまいました。

2時間後、3階に居住のAさんは、2階はおろか1階まで達する漏水事故の連絡を管理会社から受けることになります。
トイレのタンク内は水が流れ込み、一定水量まで貯まることで止まる仕組みになっています。
水はねを避ける為にAさんがビー玉を少し動かしたため、穴を塞ぐ格好となり、ロータンク内に水が貯まらず
そのまま止まることなく流れ続けた水がタンク外に溢れ出たものと考えられます。

Aさんは加害者になってしまいますので建物や他人の家財の汚損部分を賠償しなければなりません。
Aさんの賠償額は計300万円(自室建物部分60万円、2階建物部分100万円2階他人の家財50万円、1階建物部分60万円1階他人の家財30万円)にも膨れ上がりました。
(ビー玉は綺麗ですけどすぐに撤去した方が良いですよ)

〔事故事例その2〕突っ張り棚が留守中の水漏れ事故に!

Bさんは、トイレの水洗タンクの上部のスペースを有効活用するために、通販で『突っ張り棚』を購入しました。
ネジやクギを使わずに棚が壁にしっかり固定でき、様々な場所に取り付けが可能な棚です。
ところが便利さゆえに、いつの間にか、いろいろなものを棚の上に収容するようになっていました。
ある日、留守中に棚が荷物の重さについに耐えきれなくなって荷物とともに落下し、タンクに水を供給するパイプに打撃を与えて破損させてしまいました。
この事故が発覚するまで数時間の水が流出し、自室はもちろん、階下にも大きな損害を与えてしまいました。

火災を起こしてしまった責任、失火責任法について

保険の知識

賠償責任保険は借家人賠償責任保険と個人賠償責任保険で大家さんや他のお部屋の賠償を補償しますが、例外があります。それは火災事故の場合です。
わが国には失火責任法という法律があり、これは過失によって火災を発生させた場合は、原則として民法上の損害賠償責任を負わないことを定めた法律です。簡単に言うと「我が国の建物は木造建築が多いため、火災危険が非常に大きく、火災を発生させてしまった時は、巨額賠償の負担が生じるため、焼いた者も焼かれた者も、弁償を請求する者も義務者もいないという国情により、隣近所を隣焼させてしまっても賠償する義務はないですよ。被害を受けた人はそれぞれ自己責任となります。」ということを定めた法律です。


これは賃貸マンションの場合も一緒で、隣室を焼失させたり、消火活動に伴う放水により階下のお部屋を水浸しにしてしまっても賠償責任を負わなくてもいいということになります。
火事の時にはそれぞれのお部屋の住人が自分の火災保険で損害を修復しなければなりませんので、自分は火事を出さないと思っている人も自分自身で火災保険に加入する必要があるのです。
ただし、大家さんに対するお部屋の原状回復費用は別の話になります。
大家さんに対しては原状回復義務を果たす必要がありますので、借りているお部屋の損害については、借家人賠償責任保険で修復することになります。
火事の時はそれぞれのお部屋の住人が自分の火災保険の借家人賠償責任保険を使ってお部屋の修復をすることになります。
火事では、共有部分も損害を被るでしょうから、その部分は大家さんが加入している火災保険で修復費用を補償することになります。 つまり、すべての住人と大家さんがしっかりと火災保険に加入する必要があるのです。
ただし、失火責任法には例外もあります。重大な過失による火災事故の場合は例外とされています。たとえば、寝たばこが原因の火事の場合やてんぷら油をコンロにかけたままその場を離れてしまったケースなどがこれにあたります。